ホッキガイ漁場におけるモミジガイの食害の状況と駆除の指導
 
北海道留萌支庁留萌北部地区水産技術普及指導所
 
【背景・目的】
 北海道日本海北部に位置する遠別漁協では、ホッキガイの資源減少のため、その回復を期待して2年間休漁した。再開後にホッキガイの資源状態を調査した際、モミジガイが多く確認された。モミジガイは二枚貝類の稚貝を捕食する害敵生物として知られており、その生息や食害の状況を調査した。
 
【成果・普及の内容・特徴】
@ ホッキガイ漁場(1,080ha)を36の調査区画(1区画=300m×1,000m)に分け、その中央付近を噴射式桁網を1回曳網した(桁幅2.5m、曳網距離150m、調査面積375u)。入網した生物は陸上に持ち帰り、種類毎に測定を行った。
A モミジガイは36調査区画中28区画(77.8%)で入網し、総入網個体数は823個であった。入網した地点での平均入網数は29.3個であった。
B 測定したモミジガイ63個体中60個体(96.0%)がホッキガイやバカガイの稚貝を捕食していた。1個の稚貝を捕食していたモミジガイが17個体(34.0%)、2個が13個体(26.0%)と多かった(図1)。
C 最も多く捕食していたモミジガイはバカガイの稚貝を20個捕食していた。
D モミジガイの腕長は最小20mmから最大46mmであった(図2)。
E 捕食されていたホッキガイは殻長4mmから7mm、バカガイは殻長5mmから11mmの範囲であった(図3)。
F モミジガイの腕長と貝類の捕食数の関係を見ると、捕食数が10個体以上の場合は腕長30mm以上の大型個体が多いことから、大型個体ほど捕食する量が多いことが伺えた(図4)。
G 以上の調査結果から、モミジガイの食害がホッキガイやバカガイの資源に対する影響は決して小さくないことが推測された。
 
【成果の活用】
 モミジガイの食害の状況を写真撮影し、それを基に害敵駆除のパンフレットを作成した。パンフレットを漁業協同組合とホッキガイ漁業を営んでいる漁業者に配付し、その食害の状況と駆除の必要性を再認識してもらった。その結果、操業に際し、モミジガイ等の害敵駆除に積極的となった。